スマホがあれば1人ぼっちはもうつらくない?(写真はイメージ)

 積極的に自分1人だけの時間や空間を持ち、誰にも気兼ねなく楽しむ。そこに1人でいることに対する孤独感や寂しさなどは感じられない──。

 旅行やエンターテインメントをはじめ、従来のイメージでは一見「孤独な人」に見えるような行動を積極的に1人で楽しむという、“ハッピーロンリー”な価値観に根ざした行動をする人々が、性別や年代を越えて増えてきている。

いつでもどこでも1人になりたい!

 コシダカ(東京都港区)が展開する1人客専用のカラオケボックス「ワンカラ」は、大人数で盛り上がるという従来のカラオケの発想から離れ、1人で気兼ねなく楽しむという新たなニーズを取り込んでいる。主な客層は、20代から50代の社会人。防音の個室空間という特性から、勉強や楽器の練習など、カラオケ以外のニーズの利用もあるようだ。

 企業側もこのようなカラオケボックスが持つ幅広い可能性に目をつけ、最近は1人用のボックスでオンライン英会話レッスンを受けられるサービスなど、新たなビジネスも展開している。

 また、1人になれること自体に価値を見出す生活者を対象とした商品も出てきている。ビーズ(東大阪市)の「ぼっちてんと」は、使用時のサイズは幅130×奥行130×高さ160センチと、1人が入るのにちょうど良い“狭さ”。本体重量は2.2キログラムと軽い。折りたたむと直径60センチ程度の円盤状となり、収納や持ち運びも簡単という商品である。

 テントといっても、その購入目的は、キャンプで使うことではない。家族と住んでいる自宅や、他人との共用空間など、好きな場所で好きなときに自分だけの隔離されたプライベート空間を作れるアイテム、という位置づけだ。勉強や仕事、趣味への没頭など、何をするのも自由。「とにかく1人だけの空間が欲しい」という欲求を持つ人々が、この商品を購入しているようだ。