無許可の「闇民泊」が増え、一大市場を形成しつつある(写真はイメージ)

 ここは東京都中野区の一角。戸建てを中心とする静かな住宅街に、スーツケースを引きずるゴロゴロという音が響きわたる。

 スーツケースの持ち主は、旅行者と思われる中国系の2人連れだ。手にはスマートフォンを持っている。どうやら予約した宿泊先を探しているようだ。

 彼らが探しているのは民泊に違いない。なぜなら、そのあたりは第一種中高層住居専用地域(以下「第一種住専」)に分類され、ホテルは立地できないエリアだからだ。

民泊の多くは“モグリ”経営

 筆者の生活圏であるJR中野駅前と周辺商店街では、個人旅行者らしき外国人たちがしょっちゅうスーツケースとスマホを持ってウロウロしている。この1~2年でそうした旅行者たちが急に増えた。

 おそらく近所にいくつも民泊があり、外国人旅行客が集まってきているのだろう。そこで中野区役所に「区内の民泊は何カ所あるのでしょうか?」と問い合わせてみた。すると、返ってきたのは意外な答えだった。