イベントには約70名が参加。職種は、エンジニア、ライター、コンサルタント、カウンセラー、翻訳、Web制作、マーケティング、バレエ講師、CADオペレーターなど。すでに子どもが認可保育園に入園できたという方から、妊娠中の方まで、職種も状況もさまざまな方が出席しました。

 ハフィントンポスト日本版編集長の竹下隆一郎氏がモデレーターを務め、まずはゲストによるトークセッションがスタート。

トークセッション中の新倉暁子さん(左)、菊地加奈子さん(中)、吉野ユリ子さん(右)

 保育園不足により、なかなか子どもを入園させられないという現在の状況に関しては、1児の母で、片づけ収納アドバイザーを務める新倉暁子さんが、「政府や行政の頑張りにも限界があることから、民間が保育園運営に参入しやすいような、柔らかい制度作りが大事ですね」と提言。

 5児の母にして、特定社会保険労務士を務め、保育園経営も行っている菊地加奈子さんからは、

 「大切なのは、保育園はこういうものだという固定観念を取り払うこと。私は、コワーキングスペースのなかでの保育、企業内保育など、働く人と保育を近くして、一緒に考えていく保育を実践したいと考えています。そうすることで、保育士の方も常にお母さんがどんな働き方をしているのか理解し、働くお母さんも保育を身近なこととして考える良い関係を築くことができます」との意見が。

 1児の母で女性誌の編集・ライターである吉野ユリ子さんからは「フリーランスは金銭面での不安も多く、保育料が負担になることもあるかもしれません。でも、子どもの保育料にお金を使うことが日本未来を担う人たちへの投資だと思ってみては?」との提案もありました。

 後半はグループワークを実施。班ごとに、フリーランスが保活する上での問題点と解決策を話し合い、参加者それぞれが自分の今の状況を整理して、アイデアを出し合いました。

参加者が感じている思いをグループワークで整理していく
各グループが厳しい保育園事情への改善案を発表する

フリーランスの活用は企業にとってもメリットに

 赤ちゃん連れの参加者も多く、和やかな雰囲気の中で行われた今回のイベント。

 最後に共同代表理事の平田氏が、「フリーランスが専門的な能力を最大限発揮するためにも、働く環境を整えることが急務。そのためにも、働き方の多様化に対応した多様な保育の選択肢、フリーランス特有のリスクに備える保険、人間ドック優待、法務・税務相談、コワーキングスペース優待などのベネフィットプランを作って行きたい」と展望を語りました。

 今後は法人向けのフリーランス人材活用に関する啓もう活動などを行うなど、法人とフリーランスの架け橋も担いたいとのこと。

 専門的なスキルに加え、出産、子育てを経て、新たに「生活者の視点」を身に付けたフリーランスの活用は、企業側にも大きなメリットになるはず。そのためにも、協会の今後の取り組みに期待したいところです。