単純作業や低スキルの仕事は真っ先にロボットやAIに置き換わって、大量の失業者が生まれ、そしてその動きは徐々に高スキルの職業、専門的と思われていた職業にまで及びます。非常に多岐にわたる分野で超一流でないと仕事を続けることは許されない、ある意味で厳しい時代はすぐそこまで来ていると言えるでしょう。

人間に残された2つの仕事

 では人間に残された仕事は何があるのか。私は、2つしかないと思っています。それは、「イノベーション」と「コミュニケーション」です。新しい価値を生み出すのか、人と人とをつなげるのか、それしかありません。それ以外の仕事は全て、時間の問題で機械に置き換わることでしょう。

 言い方を変えると、これから先の時代に仕事を続けようと思ったら、イノベーションかコミュニケーションのどちらかに特化するしかないわけです。それ以外の人間は機械の奴隷とまでは言いませんが、実質的な価値を生み出す仕事をすることはできず、充実した人生を送ることは困難になることでしょう。

人は、ヒマになる

 しかし、そうやって職が失われて人間が飢え死にするかというと、そんなこともないと思います。ベーシックインカムのような仕組みが適用されて、大多数の人は「働かなくてもよくなる」のでしょう。先ほど、充実した人生を送ることは難しいと書きましたが、もしかしたらその中に何か生きがいを見出したりするのかもしれませんね。

 何しろ、働かなくてよいので人はヒマになります。そうすると、ここにまた「仕事」が生まれます。アートやエンターテインメント、学習です。これらは、広い意味ではイノベーションとコミュニケーションに含まれるので、「2つしかない」という結論は変えませんが。ともかく、人生を少しでもよく生きようというニーズが高まります。