ただし、その担当者は、「(県庁が)問題視しているのはグッズ販売ではなく、当該施設の内装にくまモンのデザインを使用している点です」と述べました。中国側の業者に対して許諾は出しておらず、現在も抗議を行っているとのことでした。

 では、グッズ販売に関しては問題がないのかと再度尋ねたところ、「グッズ販売に関しては抗議は行っていない。とはいえ、偽物の販売を一切行っていないのかを実際に確かめていないため、完全にシロだとは言い切れない」と述べ、依然と注意を払っている点を強調していました。

内装に使われているくまモン

研修受け入れについて歯切れの悪い回答

 引き続き、筆者は商標使用権問題の当事者である日本の大江戸温泉物語に電話取材を行いました。

 同社は既に12月22日付で「いかなる海外企業との資本・業務提携を行っていない」という発表を行っています。そこで筆者は、従業員との話に出てきた、中国側従業員の研修を受け入れたという話が事実かどうかについて尋ねてみました。すると同社からは「22日の発表の通りです」という回答しか得られず、否定も肯定もはっきりとは行われませんでした。

 重ねて3回同じ質問をした上で、「日本側から中国側へ従業員を派遣したのか」についても尋ねてみました。しかし、やはり同じく「22日の発表の通り」の一点張りです。「否定はされないのですか?」という問いに対しても全く同様でした。

 筆者の企業取材の経験から述べると、何かしらあったのではないかと疑わせるような対応と言わざるを得ず、案外、話を聞いた従業員の言っていた通りなのではないかという可能性も否定できません。この件については双方の対応をもっとじっくり見続ける必要があるのではないかというのが筆者個人の見解です。

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