売れている商品について尋ねると、くまモンの携帯電話も入る筆箱と、大サイズのぬいぐるみだといいます。ぬいぐるみはソファなどに置いて抱きついたり寄りかかったりするのにいいと説明してくれました。施設内のあちこちには、大サイズのくまモンのぬいぐるみが所狭しと設置されており、抱きついて写真を撮る来場者も多く見られました。
商標使用権問題は従業員も把握
売店の従業員と話が弾んできたので取材に来たことを伝えたところ、向こうから商標使用権で揉めていることについて言及してきました。
その従業員によると、オープン前に中国側の従業員12人が東京へ研修に赴いており、また東京からも日本人が従業員の指導に上海に来ていたといいます。「提携について双方の現場は把握していたが、幹部層が知らなかっただけではないのか?」という見解を述べていました。
一通り話を聞き終えたあと、受付へ向かい、精算します。入場料の168元(約2800円)と昼食代、119元(約2000円)で買った小サイズのくまモンぬいぐるみ代を支払い、施設を後にしました。
施設全体について筆者の感想を述べると、入浴施設は日本のスーパー銭湯とほとんど同じで特に問題はなく、食堂にはやや課題を感じるものの、全体としては休憩コーナーが豊富であるためリラックスできる施設であるように思えます。
また従業員もよく教育されており、上記の入場料168元も納得できる水準です。同じ業態で上海にも展開されている「極楽湯」が連日盛況ということなので、仮に商標権の問題がクリアとなればこの施設も十分にヒットするのではないかと思われます。
「問題なのはグッズ販売ではなく内装」
帰宅後、筆者は日本の熊本県庁くまもと商標推進課へ、上海の大江戸温泉物語でくまモングッズが販売されている件について電話取材を行いました。
最初に尋ねたのは、当該施設の売店内に展示されていた、日本語で書かれたくまモングッズの商品販売委託契約書についてでした。その契約書中には、熊本県庁から販売が許諾されているという日本の業者名が書かれてありました。その日本の業者に対して熊本県庁は実際にグッズの取り扱いを許諾しているのかを確かめたところ、その点については事実で間違いないという回答が得られました。