今や日本のサービス業の現場は外国人留学生のアルバイトに支えられている(写真はイメージ)

 数年前、筆者が中国人の友人と共に東京・上野の居酒屋を訪れてカウンターに座ったときのことです。

 カウンターの中で、外国人留学生と思しきアルバイト店員たちが中国語で話しながら仕事をしていました。そこで、筆者たちは酒に酔った勢いもあり、なぜだか「自分たちも中国語で話そう」などと言い出し、2人して中国語で話しながらひとときを過ごしました。ひとしきり食事を済ませた後で会計に向かうと、女性店員からややぎこちない日本語で「中国の方ですか?」と尋ねられたので、筆者はそのまま中国語で「友人は中国人だが、自分は日本人だ」と答えました。すると「すいません、中国語分からない」と思いもよらぬ返答が返ってきました。戸惑いつつも出身を尋ねると「ベトナムです」とのことです。深夜の居酒屋がどれだけインターナショナルな空間なのか、また外国人留学生はみんな夜遅くまでこれだけ働いているのかといろいろ考えさせられる夜となりました。

 筆者のような体験とまではいかずとも、現代日本で居酒屋やコンビニ、ファーストフード店などを訪れれば、外国人留学生らしきアルバイトが数多く見られ、大都市に至っては外国人留学生が全く働いていない店を探す方がもはや難しいのではないかと思うほどです。少子高齢化による労働力不足が叫ばれる中、日本の労働現場、特にサービス産業において外国人留学生の労働力はもはや欠かせない状況となりつつあります

 外国人留学生は、生活費はおろか学費すらも日本で稼ぐために懸命にアルバイトをしています。ただ、働く彼らを取り巻く日本の法制度には依然として大きな矛盾が横たわっており、旧態依然とも言える体勢が続いています。