「これほど増えるとは予想していませんでした」――ここ数年、法務省入国管理局も驚くほど、日本への留学生が増加している。
2015年度はついに20万人の大台を超えた。背景には2008年に日本政府がぶち上げた「留学生30万人計画」がある。優秀な留学生を取り込む一方で、将来の人口減少を外国人材の定住で補おうという政策だ。
しかし、日本語学校の一部からは「“問題留学生”はもういらない」という声も聞こえてくる。九州の日本語学校で日本語教師をしていたAさんは、「留学生の数は、もはや管理能力を超えています。お手上げ状態です。日本語教師や職員の負担は増えるばかりで、私も体を壊して辞職しました」と打ち明ける。
「留学生が引き起こす近隣住民とのトラブル、ケンカ、窃盗、果ては強姦未遂。こんな状況が続けば、あの日本語学校は不法行為を行う外国人の温床になってしまいます」とAさんは危機感を募らせる。
当時、Aさんは日本語の指導だけではなく、学生の生活指導の責任者も務めていた。留学生を生活指導する難しさをAさんはこう語る。
「ゴミを分別しろと言ってもやらないし、スーパーの傘立てに置いてある他人の傘をサービスと勘違いし勝手に持ちかえることもしょっちゅう。そんなのはまだかわいいほうで、隣の部屋の音に腹を立ててナイフを持って脅しに行ったり、不法就労の仲介人と結託して日本国内を逃げ回る留学生もいました」