洗浄装置を供給している世界トップシェアのメーカーは、「SCREENセミコンダクターソリューションズ」(京都市上京区、以下「スクリーン」)である。ところが、そのスクリーンのシェアが2009年に60%でピークアウトし、2015年には45%を切ってしまった。
スクリーンが急激にシェアを落とした背景には、韓国サムスン電子傘下の装置メーカー、SEMESの存在があった。なぜ、2009年以降にSEMESはシェアを増大させられたのか。そして、今後、スクリーンが再び圧倒的なトップに返り咲くには何をすべきなのか。
(前編もお読みください)「半導体がこれほど普及したのは洗浄技術があったから」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48512
サムスン電子の洗浄装置はすべてSEMES製に
話は、DRAMでサムスン電子が台頭し始めた1990年代初旬に遡る。サムスン電子は、ニコン、東京エレクトロン(以下「TEL」)、スクリーンなど、日本の装置メーカーに、韓国国内で装置を製造するよう求めてきたという。
しかし、多くの日本メーカーは、技術流出を恐れてそれを拒否した。ただし、大量に装置を買ってくれるカスタマーの要求を無下に断ることもできないので、装置の最終調整を韓国国内で行うようにした。要するに、形だけはしたがっているように見せかけて、お茶を濁したわけだ。