半導体の製造プロセスは、500~1000工程にも及ぶが、その3~4割を洗浄工程が占めている。シリコンウエハに成膜する前に洗い、成膜後にも洗い、エッチングしたら洗い、研磨したら洗う。とにかく洗って洗って洗いまくる。そして、ウエハ上に占める良品率の割合(歩留り)を90%以上に保ち、チップの低コスト化に貢献している。つまり、半導体がこれほどまでに普及した背景には、洗浄技術の存在がある。
その洗浄装置を供給している世界トップシェアのメーカーは、「SCREENセミコンダクターソリューションズ」(京都市上京区、以下「スクリーン」)である。ところが、そのスクリーンのシェアが2009年に60%でピークアウトし、2015年には45%を切ってしまった。(図1)。
出所:電子ジャーナル『半導体製造装置データブック』を基に筆者作成 (2014-15年のみSCREENホールデイングスのIRデータを基に筆者作成)
筆者のこれまでの知見によれば、一度ピークアウトした後に、その低下を食い止めて再びトップに返り咲いたという例を知らない。したがって、スクリーンがもう一度、2009年に記録した60%という圧倒的なシェアを獲得するのは、相当に困難なことだと言える。