土手が200メートルにわたって陥没 伊フィレンツェ

イタリア・フィレンツェで、アルノ川に沿って土手が陥没し、損傷を受けた自動車(2016年5月25日撮影)〔AFPBB News

 博多の直径30メートルにおよぶ陥没の穴が1週間で埋められ、ライフラインや交通が仮復旧したとの報道がありました。

 「日本の技術力の高さ」といった表現も目にしましたが、明らかにこれは現場の努力のなせる技、またそれを可能にした行政など関係各方面の意思決定の迅速さのなせる技のように思います。

 誤解のないように、日本の技術力が低いわけではありません。と言うより、ほとんどあらゆる分野で日本のテクノロジーは世界最高水準を示しており、明らかに断トツということも決して珍しくはない。

 しかし、そういう分野の国際競争で日本はしばしば新興国の後塵を拝している現状もあります。今回の早期復旧は明らかに現場の不眠不休の努力によるものと言うべきで、技術云々は第一にくるものではない。

 フリーで公開されている5日間の復旧の模様を短縮した動画などを見ても、その様子は明らかと思います。

 と同時に、この復旧はこのように最速の作業で行われなければならなかった、と陥没の直後から、とりわけ物理学を知る人は大半が考えていたのではないかと思います。

 韓国なら何か月もかかったはずだ、ロンドンなら・・・。

 といった報道も目にしましたが、何か月もかけている余裕はいろいろな意味でありませんでした。社会的、経済的な観点もあると思いますが、純然とテクノロジカルに安全の観点だけから考えても必要不可欠であったと思います。

 交通が復旧した日、私が大学で開講している「音楽の自然哲学」という講義で、少し関係する話題を扱っていたので、以下のような演示を行ってみました。

◎本コラム筆者(伊東 乾)の記事一覧