アメリカの大統領選に次いで世論調査がまったく当てにならなかったのが、来春のフランス大統領選に向けて実施された予備選挙だ。
11月20日に実施された、右派政党「共和党」(LR)と中道右派「キリスト教民主党」による合同予備選(2回投票制)のことである。
事前の世論調査では、LRのアラン・ジュペ元首相が支持率トップで、LR党首のニコラ・サルコジ前大統領が2位につけていた。よって、この2人が2回投票、つまり決戦投票に進出して雌雄を決すると見られていた。
ところが11月20日の第1回投票でダントツの得票率を獲得したのは、長らく4番手だったLRのフランソワ・フィヨン元首相だった。
フィヨン元首相が獲得した得票率はダントツの約44%である。2番手のジュペ氏は約28%、捲土重来を期したサルコジ氏は約21%と3位に終わった。サルコジ氏は「妻と子供のために時間を割く」と政界引退を表明。週刊誌「ヌーヴェル・オブゼルヴァトール」は「大地震が起きた」とこれを報じた。
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