ネガティブであることは、新しいことを始めるときの切り札にもなる?(写真はイメージ)

 世の中、とかくポジティブさがもてはやされています。「文句を言うな! 口癖を変えろ! 前向きになることを言ってポジティブ脳を作れ!」「とにかく一生懸命やれ! 道は開ける!」というような。私はこの論調、嫌いだったりします。

引き寄せの法則の功罪

 少し前に、「引き寄せの法則」というのが流行りました。ごく簡単に言えば「あなたが強く望み、心の周波数を合わせれば、欲しいものは何でも手に入ります」という法則です。

 もちろん私は、この法則自体は否定しません。会いたい人、欲しいもの、行きたい場所などの小さな夢は、念じていれば実現することが多いですし、私自身、「夢100リスト」を作ってこの法則を活用したりしてもいます。これは、潜在意識の働きもありますが、それ以前に思いを言語化し、他人と夢を共有化する効果だという風に理解しています。

 この引き寄せの法則と日本古来からある「言霊(ことだま)」が合わさり、「とにかくポジティブな発言が良い。ネガティブな発言は悪」というように、社会の雰囲気がなってしまっている気がします。

 これは、一種の思考停止であり、非常に危険な傾向です。政治であっても「うまく行かなかった場合にはどうする」という議論がなされること自体が好まれないような流れを感じます。なので当記事では、あえてネガティブ思考のプラス面(変な表現ですが)にスポットライトを当ててみたいと思います。