日本が生んだ超横綱級の大業績、人類の生理学史を振り返っても中々比肩するものがないと言って決して大げさでない大隅良典先生のオートファジー、自食のメカニズムを考えるうえで、自動車の「車検」を例に挙げるといいのではないかと(勝手に)考えましたので、そのような論旨で以下、検討してみたいと思います。
「車検」は正確には自動車検査登録制度というのだそうです。この原稿を書くために調べて初めて知りました。ウィキペディアによると、
「自動車検査登録制度(じどうしゃけんさとうろくせいど)とは、日本でミニカー・小型特殊自動車を除く自動車や排気量250cc超の自動二輪車に対して保安基準に適合しているかを確認するため一定期間ごとに国土交通省が検査を行い、また自動車の所有権を公証するために登録する制度」
なのだそうです。
車検を通していない車が街を走行していると、なぜいけないのか。あるいはなぜ危険なのでしょう?
ちょっと考えれば理由は明らかです。例えば高速道路を走ろうというのに、故障車だらけで渋滞してしまったら高速の意味がありません。あるいは高速走行の最中にブレーキが利かなくなったり、タイヤが1輪取れてしまったら・・・。それこそ一大事です。
交通環境で考えれば明らかなことが、私たちの身体についても言えるはずです。つまり私たちの心臓は心臓の役割、肺は肺、肝臓は肝臓、腎臓は腎臓の役割を果たしているはずですが、細胞は使っていると様々な形で劣化していきます。
以前、飛行機事故の原因として「金属疲労」が挙げられていましたが、細胞やたんぱく質でも熱的な劣化などは当然起きるわけです。
そこで、古くなった部品を取り外し、新しいパーツと取り換えることで、常に安全な走行を確保することができる。
事故が少ないことで世界的に知られている日本の新幹線も、東京・博多間を何度も往復すれば当然あちこちに疲労がたまります。それを車両点検でいち早く見つけ、新しいものと交換することで、未然に事故を防いでいる。