窮地のトランプ氏、ビル氏の方が「たちが悪い」 第2回討論会

米ミズーリ州セントルイスで米大統領選の第2回テレビ討論会に臨む民主党候補のヒラリー・クリントン前国務長官と、共和党候補のドナルド・トランプ氏(2016年10月9日撮影)〔AFPBB News

 最終コーナーに入った米大統領選の真っただ中にアッと驚く本が出た。

 保守系の億万長者が秘かにカネを出して各州の有権者登録データを不正操作し、共和党に投票する有権者を二重投票させていた新事実を明らかにした本だ。

 著者はこれまでにもブッシュ一族の「不正選挙操作」を暴いた調査報道記者のグレッグ・パラスト氏(64)だ。

 今回は、米連邦政府独立機関、「選挙支援委員会」(ESC)が保管する全米有権者登録リストを入手、いかに不正操作が行われているかを突き止めた。

 これによると、オハイオ、サウスカロライナ、コロラドなど、大統領選挙では「スウィング・ステート」(選挙のたびごとに民主党、共和党各候補が勝ったり負けたりする「揺れる州」)を含む十数州で、1人の有権者が2つの州で二重投票している実態が浮かび上がったのだ。

 二重投票は公選法で禁止されており、有罪判決が下ると、懲役5年の刑を受ける重罪だ。

同じ名前の有権者が2州を跨いで2回投票の不思議

 誰がこんな操作をしたのか。

 著者は、その背後に過去10年間、共和党が秘かに実施してきた「全州有権者登録点検計画」(Interstate Voter Registration Crosscheck Program)があると言う。

 資金面でこれを支援してきたのは、エネルギービジネスなどを手がける「コーク産業」の最高経営責任者で、445億ドルの資産を誇るチャールズ・コーク氏(80)やヘッジファンドで億万長者になったポール・シンガー氏(72)。

 知恵を出したのは保守系シンクタンクの「ヘリテージ財団」であることを突き止める。

 「二重投票」の有無については以前から取りざたされていた。