トランプ氏、ホテル開業式に=敗北見越し事業再建?-米大統領選

米首都ワシントンで行われた「トランプ・インターナショナル・ホテル」のオープニングセレモニーで、娘のイヴァンカさんにキスする米大統領選共和党候補の不動産王ドナルド・トランプ氏(2016年10月26日撮影)〔AFPBB News

「クリントン大統領」確率、ついに85.4%へ

 米大統領選まであと1週間に迫った。

 9月以降、10数年前の「わいせつな言動」が暴露されて、共和党大統領に指名された不動産王、ドナルド・トランプ氏はあれよあれよという間に失速。ラストスパートでの巻き返しも功を奏さず、ヒラリー・クリントン民主党大統領候補に大きく水をあけられてしまった。

 的中率抜群の選挙予測機関「Five Thirty Eight」は、10月26日時点でクリントン氏の当選確率85.4%(トランプ氏14.6%)という数字を弾き出している

 世界の投資家が注目している予想会社「Predictwise」も同26日午後時点でクリントン氏の当選確率90%、トランプ氏10%と予想している。

 「よほどのこと(例えばクリントン氏が病気で倒れるとか、2009年の米同時多発テロのようなテロ攻撃があるとか)がない限り、暴言と奇抜な主張で世界を唖然とさせた風雲児トランプ氏の大統領になる芽はほぼなくなった」(米主要紙政治コラムニスト)。

 選挙の焦点は、そのトランプ氏がどのくらい票を獲得するか、言い換えればクリントン氏はトランプ氏にどれくらい差をつけて圧勝するか、に移ってきている。

「トランプ現象」とは何だったのか

 さて、そのトランプ氏が巻き起こした「トランプ現象」とはいった何だったのだろうか。言い換えると、ここまで有権者の一部を引きつけてきたトランプ氏の政治スタンス、「トランピズム」とは何だったのか。

 米国の大方のジャーナリストや学者たちは、以下のように解説している。

<これまでカネに物を言わせて不動産業で稼いだカネをホテル、ゴルフ、カジノ経営に注ぎ込み、私生活でもしたい放題の人生を送ってきた男。その男が若い頃から夢に描いていた大統領になろうとする一世一代の賭けごとにすぎない>(リベラル派大学教授)

<バラク・オバマ黒人大統領の7年余にうんざりした低学歴、低所得中流下層の白人大衆が、既成共和党主流保守には目も向けず、体制打破を唱えるトランプを支持、あれよ、あれよという間に大統領選の舞台にまで担ぎ上げてしまった>(保守派シンクタンク研究員>