米サウスカロライナ州チャールストンで、選挙集会に出席したテッド・クルーズ氏とハイディ夫人(2016年2月19日撮影)〔AFPBB News〕
残り1765文字
才女を妻に持つクルーズの5人の愛人たち
クルーズ夫人は米投資銀行大手ゴールマン・サックスの投資マネージャ―を務めるキャリア・ウーマン。現在は夫の選挙応援のため休職中だが、クルーズ氏を陰で操る「第2のヒラリー」と言われる才女だ。
今回の選挙でもゴールマン・サックスから多額のカネを融通してもらっているとされる。
これに対してクルーズ氏は「やれるものならやってみろ」と反論。その直後、タブロイド紙「ナショナル・インクワイアー」は「クルーズには5人の愛人がいた」と実名こそ出さなかったが、大統領候補の下ネタに飛びついた。背後にトランプ氏の影がうごめいている。
トランプは女性蔑視(Misogynistic)常習犯
トランプ氏の女性観はこれまでにも何度か物議を醸してきた。
雑誌インタビューで、共和党唯一の女性大統領候補だったカーリー・フィオリーナ氏の容姿を茶化したり、昨年8月公開討論会でトランプ氏に厳しい質問をしたフォックス・ニューズのメイガン・ケリーさんについて「体中に血が溢れていたんだろう」とあたかも生理日だったから情緒不安定だったとでも言いたげな発言をしたり・・・。
「あの男は女性蔑視(Misogynistic)常習犯なのよ」(シュルツ米民主党全国委員長)とあざ笑う女性民主党員も少なくない。
本選挙の有権者の半分は女性。女性に嫌われれば、トランプは民主党候補には勝ってこないという自信ありありの発言だ。
華やかな女性遍歴の中でトランプ氏にはセクハラ傾向が根強いことを多くの米国人は以前から気づいていた。米主要紙の政治コラムニストはクルーズ氏との舌戦について、筆者にこう解説してくれた。
「一度火のついた女性を巡るトランプとクルーズの言い争いはちょっとやそっとではけりがつかないだろう。トランプには女にかかわるスキャンダルがありすぎるからだ。その行き着く先は、トランプがこれまでいかに女性の尊厳を傷つけるような性的言動を繰り返してきたか、になる。トランプの致命傷だ」
「今回の大統領選がこれまでと違うのは、ひょっとするとヒラリーという史上初の女性大統領が誕生するかもしれない、ということだ」
「当然のことながら、そのヒラリーが本選挙で使う『矛』は自分が『Woman』であるということ。そして相手の攻撃から身を守る『盾』になるのも自分が『Woman』であるということ。セクハラ常習犯のトランプが本選挙に出てきてもまず勝ち目はない」
