仏紙襲撃事件からまもなく1年、追悼行事始まる 仏大統領も参列

仏パリで、警官が殺害された現場に設置された銘板を見つめる、フランソワ・オランド大統領(左から2番目)とアンヌ・イダルゴ同市長(左)、マニュエル・バルス首相(2016年1月5日撮影)。(c)AFP/BENOIT TESSIER〔AFPBB News

 風刺週刊紙(誌ではない)「シャルリ・エブド」への襲撃テロ事件から1年の1月7日を前に、フランスのオランド大統領は5日、ヴァルス首相とイダルゴ・パリ市長を伴って、犠牲者となった編集長のシャルブ以下10人の名前を刻んだプラカードを、現場となったシャルリの旧社屋前に掲げた。

 ところが、こともあろうにプラカードに刻まれた風刺画家ワレンスキー(WOLINSKI)の名前のスペルは最後の「I」が「Y」となっており、列席した同紙の生存者も笑うに笑えない1シーンがあった。「オランド政権がテロの犠牲者の追悼よりテロをテコにした支持率アップを優先したことを象徴する出来事」の声もささやかれた。

経営は好調だが傷跡は深いシャルリ・エブド

 そのシャルリは6日に「1年後」として、表紙に「殺人者はいまも駆け回っている」とのタイトルとともに、黒地をバックに白色の神が両手から赤い血を流しながらカラシニコフを背に担いで走っている風刺画を掲載した。襲撃の際、重傷を負いながら生き残ったリス編集長の作品だ。

 同紙は襲撃当時の部数は約3万部だったが、この1年、平均8万部を維持。さらに同紙への義勇金ともいうべき寄付金がこの1年で約400万ユーロ(約5億300万円)集まり、1年の純益が2000万ユーロ(約26億6000万)となった。寄付金は近く、遺族に分配される。