2015年11月1日、日中韓首脳会談がソウルで3年半ぶりに開かれた。いろいろな立場の差はあっても首脳同士が顔を合わせて話し合うことは重要だ。韓国の産業界でも首脳会談実現を歓迎する声が強い。その韓国産業界の関心は、圧倒的に中国であることを改めて示すことにもなった。
3カ国首脳会談が開かれていた11月1日の午後。ソウル中心部のロッテホテルでは、「日中韓ビジネスサミット」も開催された。
「日中韓ビジネスサミット」開催
日本の経団連、韓国の全国経済人連合会(全経連)、中国の国際貿易促進委員会の共催で、ビジネス界でも関係を緊密にしようという趣旨で、首脳会談に合わせて開かれていた。
日本からは榊原定征経団連会長(東レ会長)、内山田竹志同副会長(トヨタ自動車会長)、飯島彰己同副会長(三井物産会長)などが参加した。
「サミット」は午後2時半にロッテホテルで最大の宴会場で始まった。30分ほど前に会場に行ってみたが、空席を見つけるのに苦労するほどの盛況だった。首脳会談を終えた3カ国首脳が午後5時半ごろに登場するとあってか、定員いっぱいの400人を超える参加者があったという。
目立ったのは、李克強首相に同行して来た中国のビジネス関係者。さらに韓国在住の日本企業の幹部たちだった。
サミットは3団体トップの開会の挨拶にあと、「交易、投資拡大のための覚書」「電子商取引促進のための業務協力」などに調印するセレモニーがあった。
その後、1部、2部のセッションがそれぞれ1時間ずつ続いた。
日中は経済人なのに、韓国はエコノミスト?
セッション1: 低成長時代―新しい挑戦と機会
セッション2:アジア地域のインフラ開発
よくある形式だったが、壇上の発言者の顔ぶれに「あれ?」と思わされた。
司会者は、韓国の元首相と元財務相が交代で務めた。ともにエコノミストとしても著名だ。ほかに、日韓中から1人ずつが各セッションにパネリストとして登場した。