安保法案、衆院特別委で可決 自衛隊の役割拡大定める

衆議院平和安全法制特別委員会で、自民党の浜田靖一委員長(右から2人目)を取り囲んで安全保障関連法案の採決に抗議する野党議員ら(2015年7月15日撮影)。(c)AFP/Yoshikazu TSUNO〔AFPBB News

 野党再編に向けての動きが本格化している。

 維新の党から大阪組が分裂に向けて動き出す一方で、残った旧民主党・旧結いの党組も9月30日に民主党との合流を視野に入れて「連携協議会」をスタートさせている。

 他の少数野党に関しても共産党が(いわゆる)戦争法廃止のための「国民連合政府構想」を提唱し、それに小沢一郎氏が賛意を示したり、次世代の党から幹部クラスの離脱者が相次いだりと、動きが絶えない。

 さすがに民主党が共産党からの「国民連合政府構想」の提案にそのまま乗るようなことはないようだが、岡田代表は共産党との選挙協力に関しては前向きな姿勢を示している。

野党再編・相反する2つの動き

 こうした野党再編の動きの背景にあるのは、やはり安保法案を巡る騒動を契機に注目された集団的自衛権と憲法9条の関係の問題である。

 一言で言えば「集団的自衛権を認める一連の安保法改正は違憲立法だったのではないか」ということだ。

 この点について「あのような違憲な立法は廃止か再改正すべきである」という考えを持つ護憲寄りな野党議員は、民主党を中心に合従連衡を通じて「政権交代可能な野党」なるものを作ろうとしており、逆に「集団的自衛権が違憲ならば改憲してしまえば良い」という考えを持つ野党議員は安倍政権と距離を縮めていこうとしている。野党再編には相反するこの2つの動きが底流にある。

 前者の「政権交代派」にあたるのが民主党、維新の党(旧民主党・旧結いの党組)を中心に、社民党、生活の党、そして驚くことに「確かな野党」で鳴らしてきた共産党ということになる。