ソウルの青瓦台(大統領府) (c) Can Stock Photo

 日本の植民地支配が終わった2015年8月15日。韓国では光復節と呼ぶこの日に、100万人規模の特別赦免(特赦)が実施される可能性が高い。韓国の政財界では、「誰が対象になるのか」の関心で持ち切りだ。

 「今年は光復(独立)70周年という節目の年だ。生活が苦しい国民も多く、こういう意義深い年に国家の発展と国民の統合を図るために赦免を実施する必要がある」

 「今年を韓国の再跳躍元年にするためにも、赦免の範囲と対象についての準備検討をしていただきたい」

 2015年7月13日。青瓦台(大統領府)で開いた首席秘書官会議で朴槿恵(パク・クネ=1952年生)大統領はこう指示をした。

歴代政権も特赦を実施

 日本ではあまりなじみがないが、韓国では歴代大統領がたびたび特赦を実施してきた。

 特赦とは、大統領が持つ権限で、特定の犯罪に対する刑を消してしまうことだ。刑が確定していない場合は、公訴権を消してしまう。

 つまり、大統領が刑を「なかったこと」にしてしまうことだ。

 独立70周年の意義深い年に実施する特赦ということで、朴槿恵大統領は、大規模な特赦を念頭に置いているようだ。韓国メディアは「100万人規模」と一斉に報じている。

 歴代の大統領は、たびたび特赦を実施したと書いたが、どのくらい実施してきたのか。これまで100回以上の特赦があった。