韓国の朴大統領、MERS感染拡大で保健当局者を叱責

韓国は中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)の話題で持ち切り(写真は6月1日、韓国・ソウルの国立医療センターに隔離設置されたMERS感染者専門救急センターに搬送された女性)〔AFPBB News

 まさかこんなことが続くとは・・・。サムスングループの幹部は、週末返上で対応に追われている。サムスン物産と第一毛織の合併計画に米ファンドが反対を唱え立ちはだかった。サムスン物産株は空売りもあって乱高下している。さらにサムスンソウル病院で中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)患者発生が続出する事態まで起きてしまった。

 韓国は、MERSの話題で持ち切りだ。

 実際に、どの程度「危険度」が高い疾患なのか、いまひとつ不明だが、5月末から感染者が出て、6月10日朝の発表時点で9人が死亡した。

 全国の小中学校で休校が相次ぐなど、あちこちで影響が出ている。

 「海外からの顧客来訪がキャンセルになった」「中国に出張に行こうとしたら、先方から『延期してほしい』と言われた」「社員2人が隔離対象者になった」「外部活動が禁止になり、会食に行けません」――。筆者の周りでも、こんな話は、たくさんある。

サムスンソウル病院を襲った痛恨事

 中でも困惑しているのがサムスングループだ。

 2015年6月7日、韓国政府は、MERS感染者が発生したり、立ち寄ったりした24の病院名(その後、徐々に増えている)を公表した。韓国内では、10日ほど前から、「○○病院で感染者が大量に発生した」「○○病院は閉鎖になったが、なぜか公表しない」などといった情報がインターネットやSNSを通して飛び交っていた。根も葉もないデマもあって、不安を駆り立てている。

 政府は当初は、病院名は公表できないとの立場だったが、こうした事態を受けて急遽方針を転換した。