サムスン電子、第3四半期の営業利益ほぼ6割減

韓国最大の財閥サムスングループで経営権継承が急ピッチで進められている〔AFPBB News

 2015年5月26日、サムスングループの支配構造の頂点に立つ第一毛織とグループ母体企業であるサムスン物産が合併することを決めた。李健熙(イ・ゴンヒ=1942年生)会長が病に倒れてから1年。経営権継承作業に拍車がかかってきた。

 ともに上場企業である第一毛織とサムスン物産はこの日、臨時理事会(取締役会に相当)を開き、9月1日付で合併することを決めた。

合併する2社の成り立ちと実力

 第一毛織は1963年設立で、これまで東和不動産、中央開発、サムスンエバーランドと社名を変更してきた。一般にはソウル郊外の広大なレジャー施設「エバーランド」の運営で広く知られてきた。

 2014年12月期の売上高は5兆1296億ウォン(1円=9ウォン)、営業利益は2134億ウォンだった。

 レジャー施設を運営する会社の名前がどうして「毛織」なのか。2014年7月に、当時のサムスンエバーランドが、別のグループ企業である第一毛織のファッション部門を買収し、これを機に社名も「第一毛織」に変更したためだ。

 サムスン物産は、サムスングループの母体企業だ。サムスン創業者で、李健熙会長の父親である李秉喆(イ・ビョンチョル)氏は、1938年に韓国南東部の大邱(テグ)に「三星商会」を設立した。リンゴ、青果、乾魚類の中国などへの輸出業だった。

 その後、韓国初の総合商社になり、サムスン建設を合併して今のサムスン物産になっている。

 商社部門を持っていることから売上高はずっと大きく、2014年12月期は28兆4334億ウォン、営業利益は6524億ウォンだった。

 だが、時価総額を見ると、両社のまったく違う「実力」も見える。売上高がずっと小さい第一毛織が25兆ウォン、サムスン物産が10兆ウォンなのだ。