今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(3月15日放送/Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)では、サイクロン被害を受けたバヌアツへの支援や人民解放軍の内情について取り上げたほか、最新の世論調査の結果などについて語った(今回は東京からの出張放送)。

サイクロン被害のバヌアツ支援が急務

中山 安倍(晋三)首相は3月14日・15日の両日、第3回「国連防災世界会議」に出席した10カ国の首脳と仙台市内でマラソン会談を行ったと報じられました。

 「防災」を表看板に掲げながら、安倍政権の「積極的平和主義」や国連安全保障理事会の常任理事国入りに向けた取り組みをアピールしたそうです。

 また安倍首相は、大型のサイクロンによる被害が出ている南太平洋の島国バヌアツのロンズテール大統領と会談し、「心からお見舞いを申し上げたい」と述べた上で、日本として可能な限りの支援を行う考えを表明したと伝えられています。

大型サイクロンがバヌアツ直撃、数十人死亡の恐れ

サイクロン「パム」の直撃を受けた南太平洋の島国、バヌアツの首都ポートビラの住民たち(ユニセフ提供)〔AFPBB News

 バヌアツはオーストラリアの東、南太平洋に浮かぶ小さな島国ですが、サイクロンによる被害は国の広い範囲に及んでいるとされ、我が国からも早急な支援が求められます。

 こうした島嶼国(とうしょこく)への災害支援は、実は日本の外交においても大きな意味を持っています。

 というのも近年、中国などの近隣諸国がこれらの島国に対し、経済・技術支援を通じて積極的に関与している事実があるからです。

 その外交戦略からは、太平洋への海洋進出を目論む下心が見え隠れしますが、国同士の本音と建前が交錯し、利害が絡むのが国際政治の舞台でもあります。

 そうした事情を踏まえながらも、日本は大きな自然災害を経験した国として、まずはバヌアツの一刻も早い災害復旧のために手を尽くすべきです。そして何より、私たち自身も4年前に起きた東日本大震災を風化させることなく、復興に向けた取り組みを継続していく必要があります。