学校には、スクールカウンセラーがいることは稀で、留学の知識や情報を持った相談相手はいません。そして、制度的にも、入学時期・選考方法の違い、推薦文に慣れていない学校の先生、情報不足など、困難が待ち構えます。

 国は、日本の大学からの交換留学には費用補助を出しますが、正規留学への奨学金はありません。あたかも、日本の大学を守っているかのようです。

 一方で、留学したからといって、免許、資格などの特権が手に入るわけではありません。すると、そんなにリスクをとって苦労してまでやることないと、既定路線に戻ってしまいます。

 さて、そんな既定路線の重力から脱出するためには、早めに留学という道があることに気づくことです。留学の準備には、大体2年の期間がかかります。海外大学への正規留学なら高校2年生の時、交換留学なら大学入学時に、留学という可能性に気づくことが大切です。

 時間さえあれば、情報不足や周りからの反対の中でも、自らの意思を固め、情報を集め、英語やエッセイなど入学準備を進めることができます。揺れる気持ちで、困難にぶつかりながらも留学実現に近づきます。

 そんな時、親の役割は重要です。気づきを与えると同時に、情報収集を行い、よき判断ができるよう子供を促してあげる。留学業者からは、「海外のことはよく分からないから、よろしく」と、丸投げするする親が多いと聞きますが、それでは正しい判断をすることは難しいでしょう。