一方、外資系は、船の操縦のようなものだ。進路は自由に選べる。ただし、進む方向は自分で定めなければならない。方向が決まっていなければ同じ場所をぐるぐる回っているだけかもしれない。進むスピードは重要だが、それ以上に進む方向が大切なのだ。
やりたいことが決まれば、できたようなもの
これは、多くの人にとって朗報だ。進むスピードは持って生まれた能力によるところが大きいが、進む方向は誰にでも決められる。高い技能より、強い意志がよりよい結果を生む可能性が大きいのだ。誰にもチャンスはある。
何をしたいと聞かれて答えられる人は2割もいない。ということは、やりたいことが決まれば圧倒的に成功できる率が高くなるのだ。あとは、実際やってみて学んでいけばいいだけだ。
一方、自分のやりたいことが決まっていないと、危険な罠に陥ることがある。誰でも、仕事をしていれば、人間関係や忙しさで不満を覚えることが多い。そうした不満を解消することに躍起になってしまうのだ。
不満を解消し続けようとする罠
日々の仕事は大方楽しいものではない。上司が欲しがる資料を作ったり、状況を理解するためにメールを読んだり、発生した問題に対処したり。創造的なことに2割でも使えれば良い方だ。
加えて、人間関係がうまくいっていなかったり、疲れていれば不満は最高潮。もちろん耐えられない不満は解消したほうがいい。しかし、今の不満を解消すれば満足できるというのは幻想である。
多数の人間が集まって、仕事をしていれば、ストレスからは逃げられない。そんなストレスを抱えてでも、やりがいを見出せるかは、目標を持っているかどうか次第。
不満は外部からやってくる。目標は自分の中から湧き上がってくる。コントロールできない外部に支配されてしまうのではなく、自分の中に座標軸をおくことが大切だ。
さて、そうは言ってもやりたいことを見つけるのは難しい。やりたいことと言うと、人それぞれ生まれ持っている生来的なもの、意識しなくても自然にあるものと思いがちだが、実はそうではない。自分で生み育てていくものなのだ。
とにかく、やりたいことを決めよう
例えば、出世していい格好をしたいという希望を持っていたとしよう。それは、当初、仕事をする動機になるだろう。でも、そのうち他者に悪影響を及ぼしてまで良い成績を残しても満足できないと感じるかもしれない。
そのときには、目標が、世の中に好影響を与えたうえで、自分もより責任のあるポジションに就きたい、といったように進化するだろう。