自分で動機づけを生み育てていくというのは、仕事の壁にぶつかって、自分は何で一生懸命仕事しているのだろう、という疑問を何度も解決していく過程で、自分の動機づけをより進化させ、確固としたものにしていくということだ。
誰でも、自分の中に何らかの価値観はある。それは、最初、言葉にできるほど明確なものではないかもしれないが、刺激を与えることで浮かび上がってくる。起きている時間の大半を使う仕事は、自分の価値観を磨いていくための絶好の機会だ。
では、どこから始めたらいいだろうか。
100%確信できなくても、とにかく何をしたいのか自分で決めるのだ。5年後に部署の責任者をやってみたいとか、新商品を自分の手で世の中に送り出したいとか、何かあるはず。
学生時代に部活を決める時だって、自分が何をやりたいのかわからなくても、何か決断する。そして、例えば、野球部で甲子園を目指すと決めれば、熱中して練習して、多くのものが得られたはずだ。
仕事も同じこと。甲子園が自分を幸せにしてくれるかどうか確信できなくても、だいたいそうだと思うなら、甲子園を目標としてセットすべきである。
最後にもう1つ。やることを決めるときには、やりたいことのほかに2つのフィルターを通しておこう。1つは、自分の能力でやれること、2つめは他者から求められていること。仕事のことを話しているので、あまりにも能力的に非現実的、また世の中の需要がないことをやっても失敗するだけだ。
やるなら若いうち
スポーツの世界と一緒で、ビジネスの世界も活躍する人の年代が若くなっている。若いうちに、頭の回転とあふれるエネルギーで、大きな戦力となり大きな成果を挙げている。
かつては、経験なくして大きな仕事をすることは、必要な情報を経験を通して得ていたために無理であった。それが、情報技術、コミュニケーション・ツールの向上で、仕事に必要な情報を経験だけに頼らなくても得られるようになった。
ビジネスの目標も、売上の増加、利益の追求というように単純化され、複雑なことを難しく考えるより、物事をシンプルに見て目標に向けて突き進むことが求められている。そうなれば、パワーに勝る若年層に活躍の場が大きくなるのは当然だ。