前回、「外資系企業で成功するための10か条」では様々なご意見、感想を頂いた。今回は、そのうち最も大切な「自分のビジョンを持つこと」を少し掘り下げたい。

人生を豊かにする4か条

 誰でも、自分の人生を充実させて満足させたい。そのためには、4つの必要なものがあるそうだ。

人生を楽しむために必要なこと

●健全な哲学、信念があること
●よき人間関係を持っていること~家族や友人
●よき仕事を持っていること
●ある程度のお金があること

 これは、簡潔にして要所をついている。人間関係だけでも、仕事だけでも、お金だけでも何か物足りない。ベースに自分の考えとか理想とかが柱になって、すべてのものが自分の中で整合的に結びついてくる。

 さて、翻って、自分も含め周りの人をみてみよう。残念ながら、信念を持って、やりがいを感じて仕事をしている人はとても少ない。多くの人は、生活のためとか、ほかにやりたいことがないからといった消極的な理由で働いている。

 それだけ、やりたいこと、信じていることを探すのは難しいのだ。

日系企業は鉄道、外資系は船を操縦するようなもの

 やりたいことは、とくに外資系では大切だ。日系企業では、人事部などの他者が自分の仕事を決めてくれる。また、経験のある上司や先輩が陽に陰に気遣ってくれる。

 一方、外資系は自分の進む道は自分で決めなくてはならない。他者に助けてもらうことを期待して、明確な希望なく、同じことをしていては、進歩のない無用な人材となってしまう。

 日系企業は、鉄道のようなものだ。進む道は与えられていて、そのレールの上をできるだけ速く進む、というゲームだ。成功すれば、同輩より出世して役員にたどり着けるかもしれない。