日本人はなぜ「もちもち」が好きなのか

人気の食感と日本の食文化の深い関係

2014.04.04(Fri)佐藤 成美

日本人は「もちもち」が好き

 日本人はもともと粘りのあるものが好きな民族とされる。だから「もちもち」という食感も好きなのだ。そしてそれは、日本人が粘りの強いご飯やもちを食べることと関係があるようだ。

 よく海外で食べた米がまずかったという話を聞くが、多くの場合、その理由は米の品種が違うからである。

 私たちが普段食べているジャポニカ米は粘りが強い。粘りのもととなるアミロペクチンというデンプンの含まれる割合が高いからである。一方、海外で多く食べられているインディカ米は粘りが少なくパサパサしているが、こちらはアミロースというデンプンの含まれる割合が高い。

 コシヒカリなど人気のある米は粘りの強いタイプで、最近は、品種改良によって特に粘りの強い米も登場している。

 もちもちの代表といえば、「もち」だが、材料のもち米に含まれるデンプンにはアミロースがなく、ほぼ100%がアミロペクチン。そのためとても粘り気が強い。私たちの祖先はこの粘りをおいしいと思ったようだ。日本のほか、中国や韓国などアジアの広い地域で、もち米を育て、もちを食べる文化が受け継がれている。

 ご飯と同様のことは、パンでも言える。日本で流行した耳までやわらかい食パンは、海外では見かけない。ヨーロッパで売っているのは、フランスパンのような硬いパンばかりだが、これも好みの違いだろう。日本人はふわふわして、もちもちとしたパンを好むので、売られているパンも柔らかいパンが多い。

食感を生み出すのは様々なデンプン

 デンプンに水を加えて加熱すると、水を吸収して膨らみ、粘りの強い糊になる。糊状のデンプンはご飯に粘りを与え、もちになる。つまり、「もちもち」とした食感を生み出すもとはデンプンなのである。そこで、小麦粉にデンプンを加えると粘りや弾力が出て、食感が大きく変化する。その変化はデンプンの種類などによって違ってくる。

 食品にもちもち感を出すのによく使われる材料は、タピオカデンプンやトウモロコシデンプンだ。タピオカデンプンは、東南アジアで栽培されるキャッサバという植物の根茎のデンプンで、ブラジルのパン「ポンデケージョ」やもちもち食感のドーナツなどに使われている。このデンプンは、もちもちして透明なのが特徴で、わらびもちなどにも使われている。タピオカミルクティー中に入っているつぶつぶしたタピオカパールも、タピオカデンプンでできている。

この連載記事のバックナンバー
トップページへ戻る