今回は新しく寄稿者に加わってもらった方の記事を紹介したい。1人目はサイエンスナビゲーターの桜井進さん。以前、「日本が中国・韓国より決定的に優れているわけ~ノーベル賞・フィールズ賞受賞で圧倒している歴史的背景」の記事で登場いただいた。
アジアで圧倒する日本の科学力
このときは、日本という国がほかのアジアの国々と違って、科学の世界でノーベル賞を数多く受賞できる理由に迫った。
ノーベル賞よりもはるかに難しいと言われる数学のフィールズ賞も日本人は4人も受賞しているのに対してほかのアジアの国はゼロ。当面出てくる気配はないという。
日本がなぜこのように科学や数学に強いのか。その理由は日本が長年培ってきた数学の教育にあると桜井さんは言う。
せっかくそのような歴史があるのだから、日本はもっとその長所を伸ばすべきだろう。それには子供たちだけでなく大人がもっと数学の面白さに日頃から接したいですね、ということでこの連載をお願いした。
連載の第1回は「数、数字、数値の違いを子供に教えられますか?」の記事で、数と数字、数値という多くの人たちが誤解あるいは誤った使い方をしている点を指摘している。
「驚くべきことに、数学は神から独立しています。例えば、円周率3.14・・・は神によって作り出されたものではなく、神ですらその数に触れたり変更することは許されません」
「こうして、この世に、時間と空間、経済、神から独立した存在があることに人類は気づいていったのです。それが数学です」
多くの社会人は数学から離れて時間が経っている。忘れてしまったことも多くなっていることだろう。しかし、日本は数学大国であることを思い直し数学に触れる機会を増やす努力をしたいものだ。
どこか元気のなくなった日本だが、新しい未来が開けるかもしれない。