マット安川 国際問題について内外に発信を続ける藤井げんきさんを迎え、第1次安倍政権と今回の政権の違いや、国内の諸問題について伺いました。なかでも、新エネルギーとして期待されるシェールガスについては、興味深かったです。

環境がガラリ好転。追い風に乗る第2次安倍政権

藤井 厳喜(ふじい・げんき)氏(右から2人め)
国際政治学者。未来学者。詩人。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、米国クレアモント大学大学院で政治学修士号取得。ハーバード大学政治学部大学院へ進み、政治学博士課程修了。ハーバード大学国際問題研究所・日米関係プログラム研究員、政治学部助手を経て帰国し、テレビ・ラジオのキャスター、コメンテーターなどを務める。『日本人が知らないアメリカの本音』『超大恐慌の時代』など著書多数。(写真提供:オフィスヤスカワ、以下同)

藤井 第1次安倍政権のときと今とでは、環境が全然変わりましたね。国際環境も日本の政治を囲む状況も変わったし、自民党の中の雰囲気もすっかり変わりました。今度は安倍(晋三、首相)さんがやりたいことができるんじゃないか、そしてそれが成功するんじゃないかと思います。

 まず国際情勢。第1次政権のころのアメリカが何をやっていたかというと、対テロ戦争ですよね。その分、東アジアのほうはほったらかしで、中国にはすごい低姿勢でした。

 日本にとっては中国のほうが問題なのに、アメリカの手前それを表に出せなかった。しかし今はアメリカが中国への対決姿勢を打ち出しています。

 経済情勢も変わりました。当時のアメリカはバブル全盛で、自由経済万々歳だった。小さな政府でオッケー。規制緩和やっとけばうまくいくというムードでした。

 小泉政権時代の市場経済原理主義に疑問を呈する声もありましたが、安倍さんはその意見を聞かなかったし聞けなかった。

 でも今のアベノミクスは、政府がかなりお金を使ってやるべきことをやる。日銀と一緒になってね。第1次安倍政権とは真逆と言ってもいいぐらいの経済政策です。

麻生氏とのタッグも強み。アベノミクスは成功する

 安倍政権がまず経済中心で動いているのは正解です。憲法改正とかを前面に出せという声もあって、それはゆくゆくはやってほしいんですけど、第1次安倍政権はそういう思想色を出して1年でこけちゃった。

 長期政権にするには経済をよくしないといけません。金回りがよくなれば政治的に反対の立場の人までが安倍政権を支持するようになります。まずは景気を良くする、それからやりたいことをやるというのが順序なんです。

 私はアベノミクス支持派です。ハイパーインフレになるとか言われてますけど、なりません。