市場調査会社の米IDCが先週までにまとめた最新の調査(速報値)で、世界のスマートフォン市場にまた大きな動きがあったことが分かった。
これによると、昨年1年間の携帯電話の世界出荷台数は17億3590万台で、前年から1.2%の伸びにとどまった。しかしスマートフォンだけで見ると、同44.1%増の7億1260万台と急増しており、スマートフォンの携帯電話全体に占める割合は41%にまで高まった。
これを直近の四半期(10~12月期)で見ると、45.5%とさらに高まり、従来型携帯電話からスマートフォンへの移行が急速に進んでいることが分かる。
アップル、サムスンとの差を縮める
スマートフォン市場を大きく牽引しているのは依然として韓国サムスン電子だ。
昨年10~12月期の出荷台数をメーカー別で見ると、同社が6370万台と最も多く、この台数は四半期ベースの業界最高記録。また同社の昨年1年間の出荷台数は2億1580万台で、こちらも過去最高を更新している。
サムスンの出荷台数の前年比伸び率は、四半期ベースで76%、年間ベースで129.1%と驚異的だ。米グーグルのモバイル基本ソフト(OS)搭載の「ギャラクシー(Galaxy)」シリーズの豊富な品揃えや、低・中価格端末の需要が高い水準を維持していることが寄与したとIDCは分析している。
そしてサムスンに次いで出荷台数が多かったのは米アップル。アップルは10~12月期に4780万台、昨年1年間で1億3590万台を出荷しており、その前年比伸び率は四半期ベースで29.2%、年間ベースで46.9%だ。
昨年7~9月期に15%だった同社のスマートフォン市場シェアは、10~12月期に21.8%へと拡大した。これに対しサムスンのシェアは31.3%から29%に低下。2社のシェアは7~9月期に2倍以上の差が開いていたが、年末商戦でアイフォーン(iPhone)が堅調に推移し、アップルはその差を縮めることができた。