米アップルが23日発表したタブレット端末の小型版「アイパッド・ミニ(iPad mini)」は、多くのアナリストがその存在を事前に予想していたことから特段のサプライズはなかった。しかし、いざ正式発表となり、価格が明らかになると驚きが広がったようだ。
アイパッド・ミニの価格は329~659ドル。ライバルである米グーグルの「ネクサス(Nexus)7」は199ドルと249ドル。
米アマゾン・ドットコムの「キンドル・ファイア(Kindle Fire)HD」も7インチモデルは199ドルと249ドルで、アイパッド・ミニの廉価モデルはライバル端末のそれよりも130ドル高い。
多くのアナリストはミニが300ドルを下回ると予想していた。中には、300ドルが成否を分ける価格ポイントと指摘していたアナリストもいて、今回の発表会の唯一のサプライズはこの割高の価格設定だったと揶揄する声も聞かれる。
しかし、その後様々なメディア報道を見ていると、アナリストらは意外にもポジティブな反応を示しており、総じて言えば「アップルのタブレット市場における地位はより盤石になる」と見ている。
またもや過去最高更新か?
例えば、カナコード・ジェニュイティのアナリスト、マイケル・ウォークリー氏は、アップルが今年10~12月期に925万台のミニを販売し、来年1年間では4000万台を販売すると予測している。
アップルが4~6月期に販売したアイパッドの台数は1700万台、6月までの1年間では5500万台だった。つまりミニは四半期ベースでは過去のアイパッドの実績の半分超、年間ベースでは7割超になると、このアナリストは見ている。
ジェフリーズのアナリスト、ピーター・ミセク氏も、今年10~12月期におけるアイパッド全体の販売台数を2600万台と予測している。これは四半期ベースで過去最高を更新した今年4~6月期の5割増という数値だ。