「金賞ワイン」の実力やいかに?

男と女のワイン学(レッスン17)

2012.08.07(Tue)平野 美穂

 黙っていても売れるような有名ワインはコンクールに出品されません。金賞ワインは、そうしたワインより優れているというわけではなく、無名の生産者の「門出」のような意味合いが強いのです。

 ですから、コンクール受賞歴を見て、そのワインに過度な期待を持つべきではありません。むしろ「品質の良い、若いワイン」と認識するのが妥当と言えるでしょう。

パーカーポイントに振り回されるワイン業界

 一方、世界の多くのワイン生産者が高得点を取ることを目指し、ワイン業者がワインの品質の指標としているのが、「パーカーポイント」です。

 パーカーポイントは、アメリカの弁護士でワイン評論家のロバート・パーカー氏が付け始めたもので、味わいや香り、色などを合計100点満点で採点します。90点以上で「傑出」、95点以上で「格別」とされ、100点を取ろうものなら何十年も称賛を浴びることになります。

ロバート・パーカー氏(ウィキペディアより)

 パーカーポイントで高得点を取ると、一夜にして市場価値が高まります。コンクールには目も向けない有名シャトーもパーカーポイントは無視できず、一喜一憂するのです。

 パーカー氏の功績は、有名ワインだからおいしいとは限らないこと、名のないワインにも一級品があるということを、分かりやすい基準で示したことにあります。パーカーポイントで高得点を取らせることで名を知られるミシェル・ロラン氏は、カリスマ醸造コンサルタントとして世界を飛び回っています。

 ただ、現在のワイン業界はあまりにパーカーポイントに振り回され、世界的に味が均一化されてきたという声もあります。生産者が高得点を狙うあまり、土地の特性を無視してパーカー氏の好みに合わせたブドウを植え、パーカー氏が好む味わいを作る風潮になっているからです。

 パーカー氏は、樽の利いた濃い味わいを好み、繊細な味わいは評価が低いとも言われます。あくまでパーカー氏の個人的な見解ということを忘れず、1つの基準として捉えるとよいでしょう。

 女性と食事をしているときに、一緒に飲んでいるワインが、金賞ワインやパーカーポイントの高得点ワインであることを教えてあげると、女性は喜ぶことでしょう。しかし、そうした「勲章」に捉われずに自分の好みや見解をしっかりと持っている男性にこそ、女性は一目置いてしまうものです。

 メダルやポイントは、それに振り回されるのではなく、会話の引き出しとして上手に取り入れるのが大人の技と言えるのかもしれません。

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