米アップルの4~6月期の決算は前年同期比で増収増益となったが、売上高、利益ともに市場の予想を下回ったため同社株は24日の時間外取引で売られ、株価は約5%下落した。

 売上高は350億2300万ドルとなり、1年前から22.5%増加。純利益は88億2400万ドル(1株利益9.32ドル)で同20.7%増加した。しかしアナリスト予想の平均値は売上高が372億ドル、1株利益が10.37ドルだった。

新製品の情報管理に失敗

米アップル4~6月期決算、増収総益だが市場予想下回る

中国・上海にあるアップルストア〔AFPBB News

 米ウォールストリート・ジャーナルなどの海外メディアによると、アップルの業績が予想を下回ったのは過去9年間で2回しかなく、非常に珍しいこと。

 直接の理由は主力製品「アイフォーン(iPhone)」販売の伸びが鈍化したことにあるが、アップルが新製品に関する情報をうまく管理、統制できなかったことがその原因と指摘されている。

 決算発表の電話会見で、アップルはいくつか理由を挙げている。フランス、ギリシャ、イタリアをはじめとする西欧市場における販売低迷、アイフォーンの廉価モデル比率の上昇、直販比率の低下、アイパッド(iPad)の前モデルの値下げ販売などだ。

 しかしアップルも認めていることだが、最大の原因は新製品発売の情報が事前に漏れたり、観測が流れたりしたことにあるようだ。

iPhone、前期から26%減少

 例えば同社は6月に開発者会議を開催し、ここで新型ノートパソコンを発表したが、その時点では既に新モデルがまもなく発表されるとの噂が出ていた。これにより、アップルのパソコン「マック」は4月と5月に買い控えが起こった。

 決算資料を見ても、4~6月期のマックの販売台数は402万台と、前年比で2%増、前期比で横ばいにとどまった。