1 はじめに

 去る6月17日北海道名寄駐屯地創立59周年記念行事が岡部勝昭司令の執行で行われた。整列した第3普通科連隊をはじめとする駐屯部隊の威容を見るにさすが北辺の最精鋭部隊との強烈な印象とその緊張感が、降りしきる雨を忘れさせる荘厳な式典であった。

創立59周年記念行事に整列した名寄駐屯部隊

 隊員食堂の祝賀会食場において、同駐屯地から中東ゴラン高原へ派遣中の第33次国連ゴラン高原輸送派遣隊長南条3佐と岡部司令のテレビ会談が行われた。

 シリア情勢は、国連事務総長はじめ、各国首脳が懸念する内戦状況下に突入する恐れが高く、誰しもがその無事を祈る毎日である。

 そのような状況下で現地指揮官の南条3佐は開口一番「ゴラン高原の日本隊異常なし、ご安心ください」と挨拶した。

ゴラン高原へ派遣中の隊員と岡部駐屯地司令のテレビ会談

 会場には、ゴラン派遣中の隊員ご家族の姿もあり、特にその中には小さなお子さんやご高齢のご両親らと見られる方々が散見された。

 現在の中東の安全保障問題を考えるに南条隊長の発言は部下隊員の留守家族の方々をおもんばかり、不要な心配をさせまいとする気遣いからであろう。

 会場には、私同様に現地を知悉する佐藤正久参議院議員、彼は第1次ゴラン高原輸送派遣隊長として17年前に現地に初めて足を入れた日本隊の隊長である。

 彼も私同様に現地の情勢が悪化の一途を辿っていると認識している様子であった。

 他方、日本国内ではゴラン高原へ派遣を命じた最高指揮官(野田佳彦内閣総理大臣)の脳裏にも国際平和維持活動で派遣されている隊員の安全確保について心配されていることを信じたい。定年退官された自衛官のお父上を持つ総理であればなおさらである。