しばらく前から「想定の範囲」ということが言われるようになりました。いわく「この程度の焦げ付きは想定の範囲内です」「あきらかに想定の範囲外の天災」などといった具合。

 今日の日本社会、私たちは「想定範囲外」の難問と向き合わねばならない局面が大変に増えていると思います。

 そこで、この「想定範囲外」の問題に、どうすればたくましく取り組んでいけるか、という「中期目標」を念頭に、前回に引き続いて「自分先生」レシピ中上級編その(1)、をお話ししたいと思います。

 「自分先生初級編」のおさらい

 前回、イントロに受験の話を書いたところ、そちらばかりが目立ってしまったようでした。お話の流れは「自分先生」初級編にあります。

受験競争が激化、増える若者の自殺 韓国

受験戦争の厳しさは日本以上の韓国。写真は大学入試風景〔AFPBB News

 これをおさらいしておきましょう。

 「自分先生」つまり、自分で自分を指導していくうえで「初級」問題というのは「正解のある問題」のことです。

 逆に言えば、世の中の大概の問題には、「正解」などありません。

 マーケティングでも、営業でも、新製品開発でも、どこかに「解答集」があって、これと答え合わせして、合致していたら正解、なんて問題が、世の中にどれだけあるでしょう?

 どこに子育ての「正解」があるか? 学級崩壊したクラスの立て直し方に「模範解答」があるか? あるわけがない。

 逆に言えば、小はお受験から大は大学入試、司法試験や医師国家試験などまで、「正解」があらかじめ存在するような問題なんて、実は大したシロモノではない。