受験シーズンたけなわとなりました。
身近に受験生がいる方もおられると思います。これからの季節、無事志望校に合格した、とか、第2志望に受かったとか、きっといろいろなケースがあることでしょう。
いろいろな経緯で中学・高校生と直接のやり取りも多い私は「無事合格しました」という報告も受けますし、「第3志望に決まりました」とか「浪人することになりました」とか、様々な連絡を受けます。
そのとき総じて、僕が言うことは同じなんですね「おめでとう」と。
第1志望に受かった人に「おめでとう」は、まあ当然でしょう。では第2、第3志望とか、あるいは浪人が決まった人に「おめでとう」とはなぜなのか?
「それはね、君が以前思い描いていた程度の了見を超えて、飛躍する大きなチャンスを手にしたかもしれないから」
と、とりわけ浪人が決まった子を、僕は大いに励ますことにしています。そして自分自身の浪人や失敗経験の話をしてやることにしています。
浪人が決まってドイツ留学
掛け値なしに言いますが、私は子供時代、決して優等生というわけではありませんでした。
中学高校時代は、クラスの中では中の上か上の下くらいのところにいましたが、決してトップなどということはなく、好きな勉強はしましたが、嫌いなものはほったらかし。
最初から音楽家になると決めていたので専門は真面目にやっていたものの、受験は早くに死んだ親父と同じ東大の経済学部に進むもの、それは受ければ受かるものくらいに軽く考えて、ほとんどまともな準備もしませんでした。
当然ながら受験は失敗、僕は文系の受験に失敗して浪人することに決まりました。ところがこっちはそんなこと考えない脳天気でしたので、たまたま優勝したコンクールがあり、翌年西ドイツに交換留学できることになっていたのです。