いよいよ世界最大規模の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」が開幕し、ハードウエアメーカー各社が様々なパソコンやモバイル端末を披露しているが、今年はかつて「ウィンテル(Wintel)」と呼ばれ、業界を先導してきた米マイクロソフトと米インテルが正念場を迎える年になりそうだと海外メディアが報じている。

 例えば、米ウォールストリート・ジャーナルは、かつてパソコン向けOS(基本ソフト)を取り巻く開発者のエコシステム(生態系)で他社を寄せ付けなかったマイクロソフトは、モバイル端末の分野で米アップルや米グーグルに押され、チャンスを逃したと報じている。

ウルトラブックでマックブックエアに対抗、ウィンドウズ8で新市場へ

インテル、第4四半期の業績見通しを下方修正 タイ洪水で

インテルは「ウルトラブック」を広めようとしているが・・・〔AFPBB News

 一方英フィナンシャル・タイムズは、アップルが4年前に発売した「マックブックエア(MacBook Air)」の成功事例に倣いインテルは「ウルトラブック(Ultrabook)」と呼ばれるノートパソコンの新構想を広めようとしているが、前途は多難だと報じている。

 マイクロソフトが今年2月にベータ版を、年内にも正式版をリリースすると見られている次期OS「ウィンドウズ(Windows)8」は、インテルのプロセッサーだけでなく、モバイル端末に多く使われている英アームホールディングスの基本設計「ARM」にも対応する予定だ。

 これによりマイクロソフトはウィンドウズ8がタブレット端末などにも採用され、シェア拡大が図れると期待している。

 インテルは、同社製の高性能マイクロプロセッサーを搭載する薄型・軽量ノートパソコンの設計コンセプトをパソコンメーカーにアピールし、この分野で先行するマックブックエアに対抗する商品を普及させたいと考えている。

 またインテルは、同社の低電圧プロセッサーとグーグルのモバイルOS「アンドロイド(Android)」との最適化を図り、スマートフォンやタブレットの分野でも自社のプロセッサーを採用してもらいたい考えだ。

 スマートフォンやタブレット、あるいはマックブックエアなどの薄型高性能パソコンが登場する以前の従来型パソコン全盛時代は、インテルのプロセッサーとマイクロソフトのウィンドウズを搭載するパソコンを「ウィンテル(Wintel)」と呼び、この言葉が両社の固い協力関係を象徴していた。