国内最大の電機・IT系の総合見本市である「CEATEC JAPAN 2011」が10月初旬に開催された。多くのメディアが最先端技術をリポートする中で、新たな目玉として一際大きく扱ったのが映像技術の「4K2K」だ。

 韓国のサムスンやLG、台湾、中国の新興メーカーの台頭で地盤沈下が続く中、日本の電機メーカーが起死回生で発表した4K2K。果たして日本メーカーの救世主となり得るのか。

「解像度競争」を繰り広げる日本メーカー

 「4K2K」に関しては、各種専門媒体を中心に様々な情報が伝えられている。本稿では、あくまでも一般の消費者目線に立ってこのテーマを読み解いていく。あらかじめご了承されたい。

 多くの新聞やテレビの一般ニュースで伝えられた今見本市の目玉「4K2K」とは、水平画素数4000、垂直画素数2000程度の解像度を有するビデオフォーマットを指す。

 現状、コンテンツが増えつつあるフルハイビジョン(フルHD)は、「水平1920:垂直1080」なので、単純に言って、4K2Kは縦横がほぼ2倍の画面解像度を実現させたということになる。

 4K2K商品を発表した各社の説明では「裸眼でも立体的に見える」、すなわち専用眼鏡が不要であり、かつ精緻な立体画像が楽しめるというのが最大のウリだ。ポストフルハイビジョンという位置づけである。

 今回のCEATECでは、東芝が2011年末に発売予定の新型液晶テレビを紹介した。主要メディアでの露出度も同社の55型液晶テレビが一番高かった。新機種はフルHDの4倍の解像度を持つパネルを使い、90万円前後での発売となる見込みだという。

 この他には、ソニーが世界で初めて4K2K対応の家庭用プロジェクターを発表。シャープもフルHDの16倍の解像度を誇るスーパーハイビジョンテレビを出品し、さながら各社の「解像度競争」の様相となった。

 筆者には、ここで各社の技術の詳細、優劣を論評する能力はない。ただ、一般消費者の立場として、「これほどの解像度が果たして必要か」との疑問を抱いたのは事実だ。

 また、これらが実際に各社の収益に貢献し、厳しい国際競争を勝ち抜いていけるのかという点にも注目した。