7-9月期の設備投資は13%減、法人企業統計

企業が設備投資を抑制→景気は悪化→景気対策で国債増発→家計が受け皿に〔AFPBB News〕

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 企業が借り入れを絞って設備投資に慎重になると、景気は悪化する。政府は経済対策として財政出動し、財源として国債を増発する。そして、結果的に増大する家計の貯蓄が国債の受け皿となる循環が続いた。「企業」と「家計」と「政府」のそれぞれの間におけるお金の循環構造は、日銀が四半期ごとに集計する「資金循環統計」で確認できる。

 図表1は「企業の債務残高」、図表2は「家計の資産残高」、図表3は「政府の負債残高」などの推移を示す。バブル崩壊以降、企業が借金を減らし、家計が貯蓄増強や保険などの契約で生活防衛に向かった構図が鮮明だ。政府は民間がお金を使わなくなった代わりに景気対策として支出を行い、その財源である国債の増加は家計の貯蓄などの増大とほぼ歩調を合わせていることが分かる。