医療費控除を受けるには確定申告が欠かせない(写真:umaruchan4678/Shutterstock.com)
目次

今年も確定申告シーズンがやって来た(3月16日が申告期限)。近年、国税庁は申告の完全電子化を目指して国税電子申告・納税システム(e-Tax)の利便性向上を図っている。会社員や年金受給者を含め、庶民になじみの深い医療費控除の申告も、支払った医療費のデータを一括取得して申告書に自動入力できるなど、格段に利用しやすくなっている。それでも、実際に申告を行ってみると意外な落とし穴があるという。注意点をまとめてお伝えしよう。

(森田 聡子:フリーライター・編集者)

入院中の食事代、通院にかかった交通費なども控除の対象

 医療費控除は、通年で支払った医療費が一定ラインを超えた時に、税金の軽減が受けられる制度だ。

 控除の対象となるのは、1年間の医療費が10万円を超えた人(所得が200万円未満の場合は「所得×5%」を超えた人)。ただし、健康保険や生命保険などから「補填金」を受け取っていたら、その分は医療費からマイナスする必要がある。

 医療費が申告水準に届かない人でも市販薬を多く購入している場合は、「セルフメディケーション税制」の適用が受けられるかもしれない。

 対象はスイッチOTC医薬品(医療薬から転用された市販薬)などの特定一般用医薬品で、具体的な薬品名は厚生労働省のウェブサイトで確認できる。年間購入額が1万2000円超とハードルが低い。

 会社員の場合、基礎控除、配偶者控除、扶養控除、社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除、iDeCo(個人型確定拠出年金)の小規模企業共済等掛金控除など、大概の所得控除を勤務先の年末調整で受けることができる。

 しかし、医療費控除は確定申告をしないと受けられない。先のセルフメディケーション税制も申告が必要で、医療費控除との併用はできない。

 医療費控除の対象となる医療費には、医療機関に支払った診療費や治療費、入院費、入院中の食事代、通院にかかった交通費、薬局などで購入した医薬品の代金などが含まれる。