ホルムズ海峡封鎖も、イラン政府は「航行を妨害しない」としており、指揮系統に乱れ

 革命防衛隊は「いかなる船舶も海峡の通航を禁止する」と運航企業などに通告し、実際に石油タンカーへの攻撃も始めている。

 しかし、アラグチ外相はアルジャジーラの取材に、「現時点でホルムズ海峡を封鎖する意図はなく、航行を妨害するような行動を取るつもりもない」と方針を示している。「軍部の暴走」と評価できる状況なのかは別として、少なくとも政府と革命防衛隊の間の指揮系統に乱れが生じているのは明らかだ。

 UAEは、2021年1〜2月にイランを後ろ盾にするイエメンの武装勢力フーシからミサイルやドローンによる攻撃などを受けたことがある。首都アブダビで3人が死亡した。ドバイの象徴であるブルジュ・ハリファをミサイルで攻撃するCG映像がSNSで拡散されるなどしたが、その時はSNSの拡散にイラン革命防衛隊の関与が疑われていた。

 ホルムズ海峡を隔てて繁栄を享受する湾岸諸国への嫌悪が一部のイランには存在しており、革命防衛隊の中に同様の発想があると私はみている。

 ハメネイ師を殺害されたイランは今後、革命防衛隊を中心とする軍事独裁に向かうとの観測も出ている。反体制派のリーダーになりうる有力な指導者の候補者はいない上、イスラエルに対する国民の憎悪も深い。トランプ政権が思い描くような米国・イスラエルにとって都合の良い体制転換が易々と進むのか疑問符がつく。

 一方、日本メディアの報道を確認した限り、特にUAEの現状について誤解して伝わっている部分も見受けられるので現状を多少説明しておきたい。