吉田響の大いなる可能性

 レース後の取材対応ができなかった吉田は、自身のSNSに以下のように投稿した。

「32km過ぎに低血糖と脱水になってしまい、なんとかゴールはできましたが、その後1時間ほど救護室でお世話になりました。現在は無事に回復しています。結果としては悔しい形になってしまいましたが、自分にとっては最高の大阪マラソンになりました。8km過ぎから飛び出し、自分でレースをつくれたこと。35kmまでは安定したペースで走れたこと。低血糖と脱水で目眩があり、止まりそうになりながらも最後までゴールできたこと。自分の課題が明確になったこと。そして何より、多くのファンの皆様、企業の皆様、選手の皆さんのおかげで、自分という選手が成り立っていると改めて実感できたこと。たくさんの課題と、大きな収穫を得ることができました(中略)。この経験を糧に、次こそは必ず勝ちます。たくさんの応援と声援、本当にありがとうございました」

 吉田は昨年の箱根駅伝2区で当時の区間記録(1時間5分49秒)を大きく上回る「1時間5分20秒」という目標を立てて、日本人最高記録となる1時間5分43秒で走破した。創価大卒業後、実業団のサンベルクスとプロランナーとして所属契約を締結。今年のニューイヤー駅伝は最長2区(21.9km)でハーフマラソンの日本記録を持つ太田智樹(トヨタ自動車)が保持していた区間記録を39秒も更新する1時間1分01秒で22人抜きを披露している。現在、25kmほどの距離では国内ナンバーワンの爆発力を持つ選手だ。

 今回の大阪は第1集団がキロ2分57~58秒ペースで進んだが、東京マラソンは第1集団と第2集団がもっと速いペースに設定されるはず。今回の反省を生かして、自分のリズムに合うレースを選択できれば、「日本新記録」の可能性は高い。

 それだけでなく、吉田は日本人ランナーで初めて“2時間3分台”の期待を抱かせており、ロス五輪に向けた「MGCファストパス(2時間3分59秒)」で日本代表をゲットする可能性も見えてきた。

 大阪マラソンで日本人トップに輝いた平林清澄(ロジスティード)は同学年のライバルを、「予想の斜め上のことをしてくる」と話していた。「オリンピックのメダル」が目標という吉田響のアグレッシブな走りを今後も楽しみにしたい。