習近平国家主席は共産党総書記と国家主席を兼任している。ベトナムはこれに適応したといえるが、共産主義国でありながら権力の集中を避けてきたベトナムとしては異例の体制だ。慣習を破ることに対して国内で明らかに反対意見がある一方で、もしこのような異例の方法で合意に達するとすれば、それは複雑な世界情勢を鑑みて、ベトナムが自国の発展と国際問題に対する立場に真剣である証拠となる。
新体制が迫られる難しいかじ取り
もし次の10年間、米中対立の中で漁夫の利を得続けることができれば、ベトナムは先進国の入り口に立つことができよう。だがその道のりは平坦ではない。トランプ大統領が迂回輸出を止めるために、ベトナムに対して新たな関税を発動するかもしれない。そうでなくても米国の景気は減速し始めており、それに伴い輸入が減少する可能性がある。ベトナムから米国への輸出が今後も順調である保証はない。
また中国の不動産不況は深刻であり、このような状況下で習近平が中国企業がベトナムに移転することを黙認し続けるとは思えない。なんらかの規制を発動する可能性もある。
中国はベトナムの動向に敏感である。ベトナムが力をつけることを本能的に嫌う。隣国は貧乏で自国に頼るような状況にしておきたい。それが、近隣に朝貢外交を強いてきた中国の本音だといってよい。
いずれにしろベトナムではこの4月に国会の承認を受けて新体制が正式に発足する。その外交の成否は今後のベトナムの発展に大きな影響を及ぼすことになろう。