知っておきたい量子科学の基礎

「ミッション∞インフィニティ|宇宙+量子+芸術」展示風景
落合陽一《リキッドユニバース:物化する計算機自然、質量への憧憬の転回》2026年
《物象化する願い、変換される身体(足長)(手足)》2022年

「量子」という概念が誕生したのは20世紀はじめのこと。ドイツの物理学者マックス・プランクが最小単位のエネルギーのかたまりとして「量子」を考え出した。現在、文部科学省では量子について以下のように解説している。

「量子とは、粒子と波の性質をあわせ持った、とても小さな物質やエネルギーの単位のことです。物質を形作っている原子そのものや、原子を形作っているさらに小さな電子・中性子・陽子といったものが代表選手です。光を粒子としてみたときの光子やニュートリノやクォーク、ミュオンなどといった素粒子も量子に含まれます。量子の世界は、原子や分子といったナノサイズ(1メートルの10億分の1)あるいはそれよりも小さな世界です。このような極めて小さな世界では、私たちの身の回りにある物理法則(ニュートン力学や電磁気学)は通用せず、「量子力学」というとても不思議な法則に従っています。」

 では、量子力学の不思議な法則とはどのようなものか。よく知られているものとして、「重ね合わせ」と「量子もつれ」がある。「重ね合わせ」はコインが表でもあり、裏でもあるといった不思議な状態のこと。量子は相反する2つの状態を同時にとることが可能。量子を実際に測定すると、2つが重ね合わさった状態は消え、どちらかがランダムに現れる。

「量子もつれ」は、2つの量子がどんなに離れていても連携して変化するという性質。一方の量子を測定した瞬間に、もう一方の量子の状態が決まるという不思議な現象が発生する。