影響が大きい指数算出モデルの見直し
「②リセット効果」は、基準年の変更に伴い、当該年の指数水準が100に再設定(リセット)されることに伴う効果であり、指数作成に伴う技術的要因という色彩が濃い。これは「①ウエイト効果」と相互に打ち消しあうことが多いため、これを単独で考える必要は必ずしもなく、「①ウエイト効果」とセットで考えればよい。
「③品目改廃効果」は、消費者の購買行動の変化による品目の廃止・追加がもたらす効果である。例えば、昔は「ミシン」という品目がCPIの対象品目になっていたため、ミシンの価格変化がCPIにも影響していた。一方、現代においてはミシンが多くの消費者に購入される品目ではなくなっているので、ミシンはCPIの対象品目から除外されている。したがって、現在はミシンの価格がいくら変動してもCPIには全く影響を与えない。
こうした効果が「③品目改廃効果」であり、消費行動の変化に伴う効果という点では「①ウエイト効果」に近い部分がある。
「④モデル式効果」は、品目別価格指数を作成する際の「モデル式」を見直すことに伴う効果である。CPIの構成品目のうち多くは、小売店等で調査した価格に基づいて価格指数が作成されている。そうした単純な価格調査では価格変動を十分に把握できない品目(家賃、電気代、携帯電話通信料など)について、個別に「モデル式」を設定し、いわば人工的に価格変化を計算している。
この「モデル式」の設定次第で価格変動パターンは大きく変わり得るため、基準改定時に多数行われるモデル式見直しがインフレ率に大きな影響を与えうることになる。