トランプ米大統領による高市氏支持の狙いは

 英BBC放送(2月6日付)は投票日を前にドナルド・トランプ米大統領が公式な高市氏支持を表明したことを報じた。トランプ氏はSNSのトゥルース・ソーシャルで「彼女は日本国民を失望させない!」と太鼓判を押し、3月19日にホワイトハウスへ招待する意向も明らかにした。

 米大統領が外国の選挙で特定候補を公に支持するのは極めて異例。高市氏はトランプ氏と強いパーソナル・ケミストリーで結ばれ、防衛費の増額や対中政策、レアアースなどの戦略物資の供給網確保で足並みを揃える。

 米国への5500億ドルという巨額投資を約束、防衛力の抜本的強化を掲げるタカ派の高市氏はトランプ氏にとって米国の負担を減らし、アジアでの抑止力を維持してくれる理想的なリーダーだ。しかも高市氏は盟友・安倍晋三元首相の「正統な後継者」でもある。

 トランプ氏による公式支持は「高市首相の後ろには米国がついている」という強力なメッセージを北京に送る。さらにトラス型「日本発の金融ショック」が米国の長期金利を制御不能なほど押し上げるリスクをあらかじめコントロール下に置くための布石とも考えられる。

【木村正人(きむら まさと)】
在ロンドン国際ジャーナリスト(元産経新聞ロンドン支局長)。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『EU崩壊』『見えない世界戦争 「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。