そういえば、私が子どもの頃に、こんなあたりの強い教師がいたことを思い出した。まだ昭和の時代。事実、Fはもともと教師だった。教職員組合の組織内議員であることを本人も認めている。

エスカレートしていく暴言

「それから、これはTさんから聞いたけどな……」

 Fは少し声のトーンを落として続けた。

「お前、1回も自分から朝、駅前に立とうと言ったことがないらしいな。なんでや!」

 さすがにこれには唖然とした。私にとって選挙は初めての経験だったが故に、Tに対価を支払って、秘書役や指南役をお願いしていた。だから前日に、明朝は駅前に立ちませんか、という提案がきて、それに賛同して活動を続けていた。それが私から言ったことがない、と叱責するのだ。

「お前からは、やる気が感じられんのや!」

 Fが怒鳴った。それを後援会長も事務局長も、黙って見ている。

「お前が率先してやる気を見せたらな、みんな黙ってお前についていくわ!」

 私はその言葉を忘れなかった。むしろ、その言葉を信じた。

 それからも選対委員長の暴言はエスカレートしていった。