では、そもそも日本高野連は、なぜ「7回制」を提案したのだろうか? その理由を具体的に見ていこう。
酷暑対策として取り入れた「朝・夕」2部制だが、一方で全試合を消化する難しさ
①酷暑対策
近年の酷暑に対応するために、日本高野連は2024年夏の甲子園から、大会日程の一部を「朝・夕方」の2部制にした。昼過ぎからのもっとも気温が高い時間帯には試合を行わず、比較的気温が低い午前中と、暑さが収まる夕方に試合をすることにした。
しかし、この日程で、最大4試合ある甲子園の試合をすべて消化するのは、極めて難しい。
昨年の夏の大会でいえば、8月8日の第4試合、綾羽対高知中央は延長タイブレークに入ったために試合終了時間が午後10時46分になった。プロ野球でもめったにない遅いゲームセットだった。
現時点で夏の大会の2部制は2回戦の途中までしか導入していないが、暑さ対策を考えれば、全日程で導入したい。同時に、遅くとも午後10時には試合を終了させたい。そのためには「時間短縮」するしかない、というわけだ。
昨年夏の甲子園、1回戦の智弁学園vs岐阜城北の試合は、試合開始が18時52分。9回に智弁学園が同点に追いつき延長戦に入ると,タイブレークに突入した10回には両校とも3点ずつ得点、11回に智弁がさらに3点を奪い勝利した。試合終了は21時36分だった(筆者撮影)
従来、高校野球は9回制でも「2時間試合」が一般的だった。甲子園の球審は、攻守交代などでも「早く、早く!」と選手を促して、スピーディな試合を心がけた。